プロの山岳ガイドになる!ステージの種類から資格の取得方法まで

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山岳ガイドの資格について詳しく解説します。

山岳ガイドの資格にはステージ1と2があり、それぞれガイドできる範囲が異なります。特に、山岳ガイド資格は、登山ガイドよりも難しいため、しっかりとした準備が必要です。

山岳ガイド資格の種類や、取得するまでの流れや料金についても詳しく解説します。この記事を読めば、山岳ガイドの資格がどんなものかよくわかるはずです。ぜひ参考にしてください。

こんな内容でお伝えします!
この記事でわかること
  • 山岳ガイド資格の種類
  • 山岳ガイド資格の取り方
  • 資格取得までにかかる料金

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この記事を書いたひと
  • 登山歴10年以上で週末はいつも山なひと
  • 富士山が好きで全ルート日帰りで踏破
  • 国内最難関の表妙義縦走ルートも経験済
  • 山グッズを大量に持っており知識が豊富
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目次

山岳ガイド資格とは

山岳ガイド資格とは、プロの山岳ガイドになるために重要な資格のことです。

この資格は、公益社団法人日本山岳ガイド協会によって制定されており、具体的には以下のようなカテゴリーが存在します。

  • 自然ガイドステージ1、2
  • 登山ガイドステージ1、2、3
  • 山岳ガイドステージ1、2

※正式名称はⅠⅡⅢ

国家資格ではない

山のガイド資格には、国家資格がありません。

そのため、資格なしでもガイド活動をすることができます。しかし、特定の高難易度ルートや特殊な環境でのガイドには、かなりの知識や経験が必要です。

山岳ガイド資格を持っていると、難易度の高い場所や環境でのガイドが可能となり、お客さんの信頼も得られやすくなります。資格が実績代わりになるということです。

そのため、高度なガイド業務を目指す場合は、山岳ガイドの資格を取得しておくほうが良いでしょう。

山岳ガイド資格の種類

山岳ガイド資格は2種類あります。

各ステージでできることは以下の通り。

項目山岳ガイドステージ1山岳ガイドステージ2
ガイドできる範囲通年の国内山岳と縦走路のある岩稜コースをガイド可能。日本国内で季節を問わず全ての山岳ガイドおよびインストラクター行為を行うことができる。
制限事項岩壁登攀、雪稜バリエーション、積雪期の岩稜バリエーション、フリークライミング講習は不可。なし
業務範囲例無積雪期:西穂~奥穂縦走、奥穂~槍縦走など。
積雪期:八ヶ岳縦走(赤岳~硫黄岳)や阿弥陀岳南稜など。
全て可能

山岳ガイドステージ1

ステージ1は、通年で国内の山岳と縦走路のある岩稜コースをガイドすることができます。

このステージでは、岩壁登攀や雪稜バリエーション、フリークライミング講習などの特定の活動はガイドできません。

しかし、無積雪期や積雪期のさまざまなコースやルートをガイドすることができます。一般的な登山客であれば、この範囲でほぼ全てガイドできるでしょう。

山岳ガイドステージ2

日本国内なら、季節問わず全ての場所でガイド可能です。

国内のガイド資格としては、最高レベルになります。このステージの資格を持っていれば、どんな山やルートでもガイドが可能です。特定の制限や制約はありません。

山岳ガイドステージ2だけガイドできるような場所は、案内するお客さん自身もかなりの経験とスキルが必要です。そのため、一般的なガイド業務を目指すひとには必ずしも必要ではないかもしれません。

この資格は、高度な技術や知識を求められる特殊なルートや、高度な経験を持つお客さんをガイドする際に必要となるでしょう。

山岳ガイド資格の取り方

山岳ガイド資格の取り方を解説します。

山岳ガイドは、登山ガイドよりもさらに難しい資格なため、受験資格内容は結構厳しめです。独学でやっていると、取得はなかなか困難かもしれません。

受験資格

山岳ガイドステージ2は、ステージ1の資格を持っていることが条件です。

項目山岳ガイドステージⅠ山岳ガイドステージⅡ
山行日数300日以上
積雪期標高2000m以上:100日以上
450日以上
積雪期標高2500m以上:180日以上
縦走登山積雪期4泊5日間以上を3回以上積雪期4泊5日間以上を5回以上
標高標高3700m以上の登山で問題がないこと標高3700m以上の登山で問題がないこと
登攀無積雪期:3 級+以上を15 本以上
積雪期:3 級以上を10 本以上
無積雪期:4 級以上を15 本以上
積雪期:4 級―以上を 10 本以上
フリークライミング・トラッドクライミングルート(5.10a)とスポ
ーツクライミングルート(5.10a)のレッドポイ
ントが各15 本以上
・登山靴でⅣ級—まで確実にリードできる
・トラッドクライミングルート(5.10c)とスポーツ
クライミングルート(5.11c)のレッドポイントが各15 本以上
・登山靴でⅣ級+まで確実にリードできる
アイスクライミング・ Ⅳ級30m程度の氷壁を確実にリードできる
・上記を含む2ピッチ以上のアイスクライミング
ルートの経験が10 本以上
・Ⅴ級40m以上の氷壁を確実にリードできる
・上記を含む3ピッチ以上のアイスクライミングル
ートの経験が10 本以上
参照:山岳Ⅰ・Ⅱ受験資格における登山経験・技術基準表(2023年)

標高については、日本では3700mを超える山は富士山しかありません。富士山の山頂でも、問題なく行動できるくらいの適応力が必要ということですね。

資格取得の流れ

STEP
一次試験の申込・受付
STEP
書類審査
STEP
体力・適性試験の実施

※ステージⅠのみ

STEP
筆記試験の実施

※ステージⅠのみ

STEP
二次試験および義務講習の実施
STEP
合否通知

ガイド資格取得までにかかる料金

山岳ガイド資格の取得までにかかる料金を解説します。

ここに書いてあるのは、2023年度の料金です。年々値上げしているようなので、最新の情報は公式ホームページでチェックしてください。

名称日本山岳ガイド協会
所在地東京都新宿区四谷三栄町6番9号 丸藤ビル201号
TEL03-3358-9806
e-mailoffice@jfmga.com

ステージごとにかかる料金

各ステージごとにかかる料金をまとめました。

山岳ガイドになるためには、お金がめちゃくちゃ掛かります。山岳ガイドステージ2は、1を取得していることが条件なので、さらに高くなります。

種類項目料金
山岳ガイドステージⅠ書類審査5,000円
体力、適性試験30,000円
筆記試験20,000円
無積雪期講習185,000円
無積雪期講習2、検定70,000円
積雪期講習、検定70,000円
残雪期講習、検定70,000円
雪崩対策技術検定70,000円
ファーストエイド講習45,000円
山岳ガイドステージⅡ書類審査5,000円
無積雪期講習70,000円
クライミング講習、検定70,000円
積雪期講習、検定70,000円
残雪期講習、検定70,000円

ステージ1だけでも、合計465,000円必要です。

交通費や宿泊費は別

資格を取るための講習や試験は、さまざまな場所で行われています。

自分の住んでいる場所から遠いところまで行く可能性があります。そういった場合には、交通費や宿泊費がかかります。

試験の費用以外にも別途お金がかかるため、余裕を持った予算が必要です。

テキスト代も必須

試験内容は、ガイド協会から発行されているテキストから出題されます。

そのため、筆記試験に受かるためには、テキストも買う必要があります。

全部でいくらかかる?

登山女

全部でいくらくらいかかるの?

居住地などによっても大きく変わりますが、トータルで考えると30万円~50万円くらいは必要と考えたほうが良いです。

実際にガイドとして活動するためには、これら以外にもガイド登録料などもかかります。

取るべき山岳ガイド資格は?

登山女

どの資格がおすすめ?

おすすめは「山岳ガイドステージ1」です。

ステージ1の資格だけでも、多くの場所やルートでガイドすることが可能です。この資格があれば、ガイドとしての活動で困ることはほぼないでしょう。

ステージ2は、更に専門的なガイド業務に向いていますが、取得のハードルが高く、お客さんの層も少ないため、ステージ1が最も実用的と言えるでしょう。

ただし、資格を取得しただけで自動的にガイドの仕事がもらえるわけではありません。

ガイド協会からは、あくまで資格のみが与えられます。

ガイドとして活動したければ、自分で集客をする必要があり、この点を多くのひとが苦労しています。ホームページのひとつもなしに活動するのは、現実的ではないでしょう。

山岳ガイドは難しい資格

この記事では、山岳ガイドの資格について解説しました。

応募条件が厳しく、ガイド協会のなかの資格ではかなり難しいです。その分、プロフェッショナルな資格なので、取る価値は十分にあるでしょう。

この記事のポイント 

  • ガイド資格は国家資格ではない
  • 山岳ガイド資格はステージⅠがおすすめ
  • 資格取得にはお金がたくさんかかる
  • 資格取得しても仕事がもらえるわけではない
この記事を書いたひと
やますぐ
30代/登山歴10年以上/ぐんま在住

地元ぐんまを中心に全国の山々を練り歩いています。

知名度よりも自分が登りたいと思った山を優先的に登っており、頂上でゆっくりするよりも弾丸的に行って帰るタイプです。

ひとが誰も来ないようなマイナーなところや、雪山や鎖場も好んで登っています。登山は夏よりも秋冬のほうが活動的。

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