登山中のマムシの対策を知りたい、というお悩みはありませんか?
マムシとは、上記の写真のような茶色いまだら模様の毒ヘビです。マムシに咬まれる事故は、年間1000以上あるともされており、最悪の場合は死に至る可能性があります。
マムシは、沖縄以外のどこにでも存在する毒ヘビです。登山をする上では決して無視できない存在ですので、マムシ対策と咬まれた場合の対処法について、しっかりと学んでおきましょう。
- マムシ対策7つ
- マムシに咬まれたときの対処法
- この記事を書くにあたり、病院や自治体の対応などかなり丁寧に調べ上げましたが、必ずしも安全性を保証できるものではないことをご了承ください。また、マムシに咬まれた場合の対応は、自治体や病院ごとにかなり割れている印象を受けましたので、とにかく119番に連絡して対応を仰ぐなどの対処法が一番だと思います。
7つのマムシ対策


マムシに遭ったらどうしたらいいの?
ここでは、登山中にやるべきマムシ対策について、ご紹介していきます。
お互い遭遇しないのが一番ですが、こちらも出来る限りの対処はしておきましょう。
足元をよく見る
足元をよく見ましょう。
マムシ対策はこれが一番重要です。マムシは基本的に、踏んだりしなければ攻撃してきません。
ヘビというと攻撃的なイメージがあるかもしれませんが、わりとみんな臆病な性格です。自ら人間に襲ってくるケースは、ほとんどないと思います。
マムシを含め、私が今まで山で見てきたヘビは例外なくみんな逃げていきますね。
足元を見る中で最も気を付けたい場所は、階段などの段差です。
段差は日陰になっていることも多く、ヘビが身を休めている場合があります。
私は下山中の階段の陰に隠れていたマムシを、あやうく踏みそうになった経験があります。
踏みそうになった瞬間に、何やら地面が動いているのに気付いたため、そのままマムシを乗り越えて事なきを得ましたが、まぁ~わかりづらいです。
その後にまじまじと見てみたんですが、地面と同化しすぎていて目を凝らしてよ~く見ないとまず気付けないレベルでした。
マムシがなぜ茶色いまだら模様かといえば、天敵である鳥から身を守るために保護色になっているためですね。それは人間の目から見ても同じことで・・・。



地面かと思ったらマムシだった!
なんてことにならないようにしたいですね。
冗談っぽく聞こえますが、実物を見ると場所によっては本当に地面のように見えますので、とにかく足元は注意ししょう。
近づかない
マムシを見ても近づかないようにしましょう。
君子、危うきに近寄らずです。当たり前ですが、近付かなければ危険性はありません。
マムシを見たら、なるべく近づかないようにしましょう。
肌を露出しない
肌を露出しないようにしましょう。
長ズボンを履いていれば防げる、というのもではありませんが、少しでも厚さを増しておくことで、牙の刺さりを悪くできる可能性があります。
また、足ではなく服のヒラヒラした部分に咬まれる可能性もあるかもしれないので、そういうマント的な役割も期待できるかもしれません。
草むらに入らない
登山道を外れたり、草むらにむやみに入るのはヤメましょう。
基本的にヘビは、石や穴の中に潜んでいることが多く、登山道での遭遇率は低いです。草むらなどにむやみに入らなければ、マムシに遭遇する可能性は少なくなります。



私もヘビに関しては、登山道ではあまり遭遇しないという印象を持っています
山登りでは特にヤブ漕ぎなどが挙げられますが、足元が見えない状況では、ヘビに咬まれるリスクが高くなってしまいます。
これについては、地面を叩いて振動を与えてあげるという方法が有効です。
地面に振動を与えてヘビに知らせることで、向こうが感知して先に逃げてくれます。
私がヘビと遭遇するときは必ず、いつも「逃げている状態」なので、振動を敏感に感知しているのでしょうね。足元が見えない状況下では、これも特におすすめな方法です。
トレッキングポールを使う





いつもの登山道が草で覆われている・・・
そんな時は、トレッキングポールを上手に活用しましょう。
夏山の場合、どうしても熊笹で登山道が覆われてしまっている場所もあると思いますが、これに対してはトレッキングポールが有効です。
トレッキングポールを使ってかぎ分けることで、足元がよく見えるようになります。
私も熊笹の多い夏山ではよく使っている方法ですが、これがないと怖くて足を踏み入れられないですね。足元の見えない登山道では、私はトレッキングポールを使って振動を与えています。
トレッキングポールには、色んな用途がありますので、登山では持っていくことをおすすめします。


足首まである登山靴を履く
足首まである登山靴を履きましょう。
しっかりした登山靴ならば、足首まで覆われているので、マムシの攻撃を物理的に防ぐことが出来ます。咬まれた場合の防御策としては、これが最強ですね。


ゲイターを履く
ゲイターを履くというのも有効です。
登山靴と同じく、マムシが咬んでくるであろう足元を強化するのは、有効な対策です。ゲイターは、登山靴よりさらに上の部分をガードするのに良いですね。
ただ、よくある中国製の安物ゲイターだと薄っぺらく、ヘビ対策としてはあまり効果が期待できません。
ヘビ対策には、やはり分厚いゲイターがおすすめです。中でも、ヘビ対策として売られているゲイターもありますので、マムシに咬まれたくない人は試してみてください。





ハイカット登山靴とゲイターで、かなり鉄壁になると思います!
マムシに咬まれたときの対処法


マムシに咬まれてしまった場合の対処法です。
マムシに咬まれると最悪死に至る場合もありますので、これらの対策はしっかりと覚えておきましょう。
水で洗い流す
咬まれたらまずは、患部を水で洗い流しましょう。
咬まれたらすぐに行った方が良いです。全身に毒が回る前に、物理的に毒を出してしまうということですね。
傷口からぎゅーっと血を絞り出しながら洗うのもポイントです。体内に入った毒を外に出すようしましょう。
毒を吸い出す
道具を使って、毒を吸い出しましょう。
これにはポイズンリムーバーがおすすめです。スッポンのように体に吸着して、毒を吸い出すという応急処置用具です。
小さくてかなり軽いので、私は冬以外は常にザックに入れてあります。


ちなみに、TVなどでよく口で毒を吸いだすような描写を見掛けることがありますが、これはNGです。口付近に傷などがあった場合、そこから毒がまわってしまう可能性があります。
ポイズンリムーバーは、マムシだけでなくスズメバチなどの毒に対しても有効なので、登山中ひとつは必ず携帯しておきましょう。
タオルで縛る
毒の広がりを防ぐには、タオルで縛るという方法もおすすめです。
これは血流を悪くすることにより、全身に毒が回るのを遅らせるための対処法です。患部より心臓に近い側をタオルなどで縛ることで、血の巡りを鈍化させます。



ギッチギチに縛る!
・・・あまりキツくしすぎると壊死してしまうため、弱すぎずそれなりの強さで縛るのがコツです。キツく縛りすぎるのはNGですからね。
水分をたくさん摂る
水分をたくさん摂りましょう。
これには、2つの効果が期待できます。
- 水分をたくさん摂ることで、毒素を薄められる可能性がある。
- 排尿をすることで、毒素を排出する効果が期待できる。
根本的にこれだけで治るという方法ではありませんが、少しでも毒を排出するのは有効な手段ですので、忘れずにぜひやっておきましょう。
119番する
咬まれたら、迷わず119番に連絡しましょう。
命に関わる重大な事故ですので、遠慮する必要はありません。
マムシに咬まれたからといって、100%毒にやられるわけではありませんが、それを個人の判断だけで済ますのは危険です。
応急手当の方法を聞くだけでも、助けになりますので、迷ったらまずは119番に連絡してみましょう。
病院へ行く
自分で病院へ行くのも手です。
119番をするのに抵抗がある人もいるのではないでしょうか?
私もそのひとりで、あまり大げさにしたくなく、出来れば自分で病院へ行きたいという人も多いと思います。
この場合、登山を中止して真っ先に病院へ向かいましょう。受診するまでの時間が、早ければ早いほど症状が軽くなるとのデータもありますので、時間との勝負です。
まとめ : マムシには冷静に対処しよう


マムシは臆病な生き物です。
基本的にこちらから攻撃しない限りは、牙を向けてくることはありません。足元に注意してそっとしてあげれば、そこまで怖い存在ではないです。
もし、咬まれてしまった場合でも冷静になって対応しましょう。