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登山ガイド資格の種類と取り方:ステージ1、2、3で何が違う?

登山ガイドの資格について詳しく解説します。
登山ガイドの資格はステージ1と2と3があり、それぞれガイドできる範囲が異なります。本格的な登山ガイドになりたければ、最低でもステージ2以上が望ましいです。
登山ガイド資格の種類や、取得するまでの流れや料金についても詳しく解説しています。この記事を読めば、登山ガイド資格がどんなものかよくわかるはずです。ぜひ参考にしてください。
登山ガイド資格とは
登山ガイド資格とは、プロの登山ガイドになるために便利な資格のことです。
一般的には、公益社団法人日本山岳ガイド協会が定めたもので、以下のようなものがあります。
- 自然ガイドステージ1、2
- 登山ガイドステージ1、2、3
- 山岳ガイドステージ1、2
※正式名称はⅠⅡⅢ

国家資格ではない
登山ガイドの資格に、国家資格はありません。
そのため、資格なしでもガイド活動をすることができます。
資格なしでもOK
山のガイドは、資格なしでもOKです。
前述の通り、ガイド資格は国家資格ではないため、資格なしでも活動することができます。
難易度の高い山でロープ確保して欲しい、みたいなことだったらあったほうが良いかもしれませんが、それよりも登山歴や気配りが出来るかのほうが重要ではないかと。
たとえば、私は登山歴10年近いですし、友人を何人も山に連れて行ったことがあります。友人達には見せていませんが、のぼる山の選定や安全管理は、裏ではかなりしっかりと行っています。
資格がないからといって、実力のあるガイドは世の中にたくさんいるでしょう。
登山ガイド資格の種類
登山ガイド資格は、3つあります。
各ステージでできることは以下の通り。
登山ガイドステージ1 | 登山ガイドステージ2 | 登山ガイドステージ3 |
---|---|---|
一般登山道 | 一般登山道 | 一般登山道 |
実線ルートのみ | 実線ルートのみ | 破線ルートもOK |
沢遊び | 沢遊び | 沢歩き |
雪山 | (簡単な所のみ) | 雪山(日帰りのみ) | 雪山
テント泊 | テント泊 | テント泊 |
ちなみに、自然ガイドはこれら以下のことしかできず、山岳ガイドはこれら以上のことができます。一般的な登山の案内がしたければ、「最低でも登山ガイドステージ1以上」が必要です。
登山ガイドステージ1
ステージ1は、無雪期の一般登山道をガイドすることができます。
登山地図の実線で示された登山道ならOKですが、破線などのルートはNGです。簡単な沢遊びも案内することが可能で、テント泊や避難小屋泊も可能です。
一般的な登山ガイドを目指すならば、最低限ここのラインは超えましょう。ただし、積雪期はガイドできないため、本業を目指すのであればステージ2以上が望ましいです。
登山ガイドステージ2
ステージ2も、無雪期の一般登山道をガイドすることができます。
ステージ1と大きく違うのは、雪山のガイドも可能という点。
ただし、積雪期は大きな制限があり、森林限界を超えないことや、ロープウェイなどから2~3時間の範囲までとされています。
簡単なところまでということですね。
登山ガイドステージ3
ステージ3になると、破線ルートの登山道も案内可能です。
積雪期に関しても、ステージ2よりさらに行動範囲が広がっています。ただし、「登山ガイドステージ2で1年以上かつ100日以上のガイド実務経験」があることが条件です。
登山ガイド資格の取り方
登山ガイド資格の取り方を解説します。
資格取得までは数か月かかります。受験資格を満たしていれば、だれでも応募可能です。
受験資格
基本的に年齢は満18歳以上であれば可能で、登山経験が豊富なことが条件になっています。
登山ガイドステージ1 | 年齢 満18歳以上 | 必要登山日数 無雪期:120日以上 積雪期:10日以上 |
登山ガイドステージ2 | 年齢 満18歳以上 | 必要登山日数 無雪期 : 120日以上 積雪期(厳冬期) : 20日以上 |
登山ガイドステージ3 | 年齢 満18歳以上 | 必要登山日数 100日以上のガイド実務経験 森林限界を超える雪山登山40日以上 |
資格取得の流れ
資格取得への近道
「登山ガイド育成学校」というものがあります。
これを利用すると、「1年間(56日間)の授業で2つの資格」を同時に取得できます。
同時に取得できる資格
- 登山ガイドステージⅡ
- IMLトレッキング・ハイキングガイド
この制度を利用することで、試験を受けるよりも確実に資格を取得することができます。ただし、料金は試験を受けるよりも高い(約93万円)ので、注意してください。
ガイド資格取得までにかかる料金
ガイド資格取得までにかかる料金を解説します。
ここに書いてあるのは、2023年度の料金です。今後値上する可能性があるため、最新の情報は公式ホームページにてチェックしてください。
名称 | 日本山岳ガイド協会 |
所在地 | 東京都新宿区四谷三栄町6番9号 丸藤ビル201号 |
TEL | 03-3358-9806 |
office@jfmga.com |
ステージごとにかかる料金
各ステージごとにかかる料金をまとめました。
登山ガイドステージ3は、2を取得していることが条件なので、トータルでは高くなります。
一次試験
項目 | 料金 |
---|---|
自然ガイドⅠ 登山ガイドⅠ・Ⅱ | 25,000円 |
登山ガイドステージⅢ | 5,000円 |
二次試験
種類 | 項目 | 料金 |
---|---|---|
登山ガイドステージⅠ | 無雪期ルートガイディング 自然解説技術 | 40,000円 |
安全管理技術 | 40,000円 | |
危急時対応技術講習会 | 30,000円 | |
登山ガイドステージⅡ | 自然解説技術 | 無雪期ルートガイディング40,000円 |
安全管理技術 | 40,000円 | |
自然解説技術 | 積雪期ルートガイディング55,000円 | |
積雪期安全管理技術 | 55,000円 | |
危急時対応技術講習会 | 30,000円 | |
登山ガイドステージⅢ | ロープワーク技術と 岩稜歩行技術 | 50,000円 |
無雪期ルートガイディング | 60,000円 | |
積雪期ルートガイディング | 60,000円 |
ステージⅢはステージⅡの取得が条件
交通費や宿泊費は別
上記は、試験の料金です。
交通費や宿泊費は別にかかるので、注意が必要です。これも数万円はかかるでしょう。
テキスト代も必須
筆記試験に受かるためには、テキストが必須です。
試験内容は、ガイド協会が発行しているテキストから出題されます。テキスト代はほぼ強制なので、しっかりと勉強しておきましょう。
全部でいくらかかる?

全部でいくらくらいかかるの?
居住地などによっても大きく変わりますが、トータルで考えると30万円~50万円くらいは必要と考えたほうが良いです。
実際にガイドとして活動するためには、これら以外にもガイド登録料などもかかります。
どの資格を取るべきか



どの資格がおすすめ?
おすすめは「登山ガイドステージ2以上」です。
ステージ1だと、雪山のガイドはできません。しかしステージ2なら、積雪期にもガイドができる範囲が広がっているので、より多くのお客さんに対応できます。
本格的に登山ガイドとして活躍したいなら、ステージ2を目指しましょう。
ただし、資格を取得したからといって、仕事が自動的に舞い込むわけではありません。
協会が与えてくれるのは、あくまで資格のみ。
ガイドの仕事をしたければ、自分で集客する必要があります。これは決して簡単なことではありません。多くのガイドが苦労している部分です。
ガイド資格はお金と時間がかかる
この記事では、登山ガイドの資格について解説しました。
ガイド資格を取得するには、お金と時間がかかります。しっかりと準備してのぞみましょう。
この記事のポイント
- ガイド資格は国家資格ではない
- 本格的にガイドをやりたいならステージⅡが良い
- 資格取得には数か月かかる
- お金は最低でも30万円以上かかる
- 資格取得しても仕事がもらえるわけではない