阿蘇山は噴火しているから登山ができない、と思っていませんか?
阿蘇山は、噴火中でも登山ができます。阿蘇山の登山ルートと噴火警戒レベルの関係をきちんと理解することで、安全に登山をすることが可能です。
この記事では、噴火中の阿蘇山の登山について、以下の2つのポイントでお伝えします。
- 噴火警戒レベルの内容
- 噴火警戒レベルごとの登れる山

噴火警戒レベルを知れば、阿蘇山は怖くないですよ!
阿蘇山の登山状況は常に変わる
気象庁は、噴火警戒レベルというものを設定しています。
これは活火山におけるひとつの目安のようなもので、内容は以下の通りです。
噴火警戒レベル | おもな内容 |
---|---|
噴火警戒レベル1 | 活火山であることに留意 |
噴火警戒レベル2 | 火口周辺規制 |
噴火警戒レベル3 | 入山規制 |
噴火警戒レベル4 | 避難準備、高齢者避難 |
噴火警戒レベル5 | 避難する |
これを踏まえたうえで、レベルごとに阿蘇山のどの山を登れるかをみていきます。
噴火警戒レベル次第で行ける山やルートが異なります。
噴火警戒レベル | 行けるルート |
---|---|
噴火警戒レベル1 | 全ルート問題なし |
噴火警戒レベル2 | 新ルートなら、実質全ルートOK |
噴火警戒レベル3 | 場合によっては、杵島岳と烏帽子岳もNG 根子岳は距離的にOK | 中岳、高岳はNG
噴火警戒レベル4 | 登山は控える | 避難の準備をする段階
噴火警戒レベル5 | 避難する |
噴火警戒レベル1
噴火警戒レベル1は、阿蘇山のすべての山がのぼれます。
活火山であることに留意しておくだけでOKです。登山をするならもっとも安全なレベルですね。
ただし、突発的に噴火することはまれにありえますので、その点だけは注意しておきましょう。
のぼれる山 | のぼれない山 |
---|---|
中岳 高岳 杵島岳 烏帽子岳 根子岳 |
噴火警戒レベル2
火口から1km圏内が立ち入り禁止になります。
噴火警戒レベル2だと、従来は中岳と高岳まで行くことは難しかったのですが、新ルートの登場により山頂まで行くことができるようになっています。
阿蘇山の新ルートについての解説は、以下の記事をどうぞ。


のぼれる山 | のぼれない山 |
---|---|
中岳(新ルート) 高岳(新ルート) 杵島岳 烏帽子岳 根子岳 | 中岳と中岳の従来ルート |
噴火警戒レベル3
噴火警戒レベル3が一番曖昧です。
基本的には、火口から2km圏内が立ち入り禁止になります。
ネット上では、杵島岳や烏帽子岳はOKといっているひとや、観光も大丈夫という意見も見られましたが、これは正確ではありません。
レベル3でも、噴火の程度によって登山も観光も禁止になる場合があります。
気象庁のホームページでは、以下の文言が書いてあります。
状況に応じて規制範囲を判断
状況によっては、観光地である草千里ヶ浜も立ち入り禁止です。2021年の噴火では、実際に立ち入り禁止になりました。
この判断は行政がするので、気象庁の阿蘇山の活動状況のページをよく確認してください。噴火警戒レベル3であっても、安全が確認されれば杵島岳と烏帽子岳はOKになる場合もあります。
のぼれる山 | のぼれるかもしれない山 | のぼれない山 |
---|---|---|
根子岳 | 烏帽子岳 | 杵島岳高岳 中岳 デメリット デメリット デメリット |
噴火警戒レベル4
噴火警戒レベルが4になると、登山はできません。
この段階でのぼれる山はなくなります。
のぼれる山 | のぼれない山 |
---|---|
高岳 中岳 杵島岳 烏帽子岳 根子岳 |
噴火警戒レベル5
逃げましょう。
登山している場合じゃありません。
正常性バイアスという言葉を知っていますか?
異常なことが起こったときに、「大したことではない」と考えて、心を平静に保とうとするという機能のことです。
危険な状況下では、自分の命に危機が訪れていると判断するのが正常です。しかし、人間の脳は「自分だけは大丈夫」「ちょっと撮影するだけだから」という考え方をしてしまい、正しい行動ができなくなります。
「川が氾濫しているから見に行った」「噴火しているから撮影しにいった」、そんな感覚でどれだけのひとが死んでいるでしょうか。
「噴火の状況を撮ろうとして巻き込まれた」なんていうことだけは、絶対に避けましょう。命優先です。
登山をするなら、「正常性バイアス」という言葉はしっかりと理解しておいてください。危険を回避するには、こういったちょっとの知識も必要です。
噴火警戒レベル5でのぼれる山は当然ありません。
のぼれる山 | のぼれない山 |
---|---|
高岳 中岳 杵島岳 烏帽子岳 根子岳 |
まとめ : 阿蘇山は噴火中でも登山できる
阿蘇山は、噴火中でも登山ができる山です。
新ルートの登場によって、噴火警戒レベル2までならどこでものぼれるようになりました。噴火警戒レベルを注視して、状況に応じてのぼる山を変えるなどしましょう。
噴火警戒レベル | 行けるルート |
---|---|
噴火警戒レベル1 | 全ルート問題なし |
噴火警戒レベル2 | 新ルートなら、実質全ルートOK |
噴火警戒レベル3 | 場合によっては、杵島岳と烏帽子岳もNG 根子岳は距離的にOK | 中岳、高岳はNG
噴火警戒レベル4 | 登山は控える | 避難の準備をする段階
噴火警戒レベル5 | 避難する |