阿蘇山は、2021年4月に新しい登山ルートが追加されました。
これにより噴火警戒レベルが2でも、阿蘇山最高峰である高岳まで行くことができるようになっています。新ルートの登場により、今後阿蘇山を登山できる機会が多くなりました。
この記事では、阿蘇山の新しい登山ルートについて、以下の2つのポイントをお伝えします。
- 新ルートができた理由
- 新ルートの詳細

この記事を読めば新ルートに詳しくなれるはずです!
阿蘇山の新ルートが出来た理由


2021年に阿蘇山に新しい登山ルートが追加されました。
今の時代、新しい登山道ができるのは珍しいですよね。ここでは、なぜ新しいルートが追加されたのかを考察していきます。
噴火し続けているから
阿蘇山は、活火山です。
今でも火山活動がいきている山で、噴火がしょっちゅう起こっています。そのため、噴火警戒レベルが2や3になることは日常茶飯事です。
阿蘇山というと噴火している山というイメージのひとも多いのではないでしょうか?
阿蘇山では、噴火警戒レベル2になることも多く、これだと登山をする機会が限られてしまいます。私も現地までは行きましたが、噴火の関係でのぼることが出来ませんでした。
阿蘇山は火山の鼓動を感じられる良い山ですし、こういった状況を打破するためにも、なんとか新ルートを作る必要があったのでしょう。
なぜ新しくできたか



なんで新しい登山ルートができたの?
それは簡単です。
火山規制中でも登山ができるようにするためです。
阿蘇山は火山が活発な山域で、入山規制がたびたび行われていました。
今までは最高峰である高岳まで行けないことも多く、これを解決するために2021年4月に阿蘇山に新しい登山ルートが追加されました。
これによって噴火警戒レベルが2でも、中岳と高岳まで行けるようになりました。
ただ、新しいルートができたからといって、どの噴火警戒レベルでも行けるわけではありません。厳密にいうと、「噴火警戒レベル2までなら中岳と高岳まで行けるようになった」という表現が正しいです。
火口を避けているから



何でのぼれるの?
新ルートは、火口から半径1kmを避けているからです。
そのため、噴火警戒レベル2までならのぼれようになっています。
2つある新ルートは、どちらも噴火口である中岳の火口中心を避けて通れるようになっており、従来は規制で行くことができなかった中岳と高岳の山頂まで行きやすくなっています。
これらの新ルートは、地元のボランティア団体が支援してくださり、人力で整備されたのだそうです。ありがたいですね。
2つの新ルートの詳細


新しくできたのは、すずめ岩迂回ルートと皿山迂回ルートです。
どちらも、中岳と高岳まで行くルートになります。
ただし、これらの新ルートは、噴火警戒レベルが3になるとのぼれませんので、ご注意ください。
ここでは、新ルートの詳細を画像付きで細かく解説していきます。※画像は拡大できます。
すずめ岩迂回ルート


こちらは、新ルートのすずめ岩迂回ルート(青色)です。
噴火警戒レベル2(中岳火口中心から1km)の状態では、赤い円のエリアは進入禁止で入ることができません。
オレンジの方は従来通りのルートで、これだと噴火警戒レベル2の状態では通れないのがよくわかると思います。安全を考えるなら、最初から青の新ルートで行ってしまっても良いですね。
皿山迂回ルートの場合


皿山迂回ルートは、観光地である草千里ヶ浜周辺からのぼるルートです。
こちらも噴火警戒レベル2の状態ですが、火口を避けているのがわかります。
オレンジ色で示した部分は従来のルートで、今まで通りだと噴火警戒レベル2になった時点で入山禁止になっていたのがわかると思います。
正直、意味あるのかっていうくらい微妙な差しかありませんが、国に決められたルールの中から地元の方々が上手にルートを作ってくださったということですね。
ちなみに、有料道路側の駐車場にも登山口があるんですが、噴火警戒レベル2になると通行止めになるので、最初から手前の駐車場にとめてしまった方が良いと思います。
阿蘇山の登山口と駐車場についての解説は、以下の記事をどうぞ。


噴火警戒レベル3になると


ちなみに噴火警戒レベル3だと、中岳と高岳へは行けません。
入山規制の範囲がさらに広がるため、立ち入り禁止になります。
阿蘇山では、噴火警戒レベル3が少し曖昧な表現になっていて、場合によって火口から4kmまでのびることがあります。
状況によっては、杵島岳と烏帽子岳も登山禁止になるようです。
この辺は、噴火の状況によっても違うみたいなので、各自情報は細かくチェックしてください。
阿蘇山の噴火警戒レベルについての解説は、以下の記事をどうぞ。


ちなみに、噴火警戒レベル4以上は、登山をしている場合ではありませんのでやめましょう。
新ルートで登山しやすくなった
新ルートのおかげで高岳まで行きやすくなりました。
しかし、新ルートはまだまだ認知度が低く、阿蘇山は登山ができない山という認識も多いのではないでしょうか。
今後、これらの新ルートの登場で、阿蘇山の登山人口はもっともっと増えるでしょう。
噴火警戒レベル | 行けるルート |
---|---|
レベル1 | 全ルート問題なし |
レベル2 | 新ルートなら、実質全ルートOK |
レベル3 | 場合によっては、杵島岳と烏帽子岳もNG 根子岳は距離的にOK | 中岳、高岳はNG
レベル4 | 登山は控える | 避難の準備をする段階
レベル5 | 避難する |