
御嶽山って日帰りで登山できる?



おすすめのルートってないかなぁ
御嶽山は、日帰り登山できる山です。
どのルートも、求められる体力レベルはそれなりにあるものの、森林限界で視界が広く、ロープウェイもあるため、初心者でも挑戦しやすい山であるといえるでしょう。
ルート名 | 標高差 | 往復距離 | 登山時間 | 難易度 |
---|---|---|---|---|
黒沢口 | 約980m | 約7.5km | 3時間10分 | 中級レベル |
王滝口 | 約760m | 約5.7km | 2時間20分 | 中級レベル |
摩利支天山 | 約1260m | 約11.4km | 7時間40分 | 上級レベル |
御嶽山満喫 | 約1620m | 約15km | 10時間00分 | 上級レベル |
※ルート名を押すと詳細へ
この記事では、御嶽山の登山ルートについて、以下の3つのポイントでお伝えします。
- 御嶽山のオススメ登山ルート
- 登山ルートの時間と難易度
- 火山規制について



運がよければ雷鳥にあえるかもしれませんよ!
御嶽山のおすすめ登山ルート


御嶽山は、長野県と岐阜県にまたがる標高3,067mの山です。
複数のピークから連なる独立峰で、標高3,000mを超える希少な山でもあります。最高峰は「剣が峰」です。
「独立峰」「標高3,000m超え」「雷鳥に出会える」等、いろいろと特徴がある山なんですが、奥まった位置にあるため、わりとひっそりとした存在です。
しかし、近隣の山からはその迫力ある美しい姿がよく見え、これを見た登山者はたいていは登ってみたいとおもうことでしょう。
それくらい立派な姿をした山です。
噴火の被害としては、雲仙普賢岳を超える戦後最大規模の死者を出しました。若いひとや最近登山をはじめたひとは、あまり知らないかなとおもいますので、詳細はWikipediaでどうぞ。
火山活動は今も続いており、登山をする際には常に警戒が必要です。
御嶽山を登山する際には、最新の火山状況などをよくチェックし、安全に留意してのぼりましょう。


名称 | 御嶽山(おんたけさん) |
標高 | 3,067m |
ジャンル | 日本百名山 |
登山エリア | 上信越 |
都道府県 | 長野県、岐阜県 |
登山適期 | 7月上旬~10月上旬 |
難易度 | 中級~上級 |
黒沢口ルート


このルートの目安 |
---|
(4.0) | 体力レベル
むずかしさ (2.5) |
おすすめ度 (5.0) |
【登り】3時間10分 【下り】2時間20分 |
参考コースタイム 5時間30分 (日帰り) |
【標高差】約980m /【距離】約7.5km |
中級レベル |
黒沢口ルートは、御嶽山の最高峰である剣が峰を目指すルートです。
このルートはロープウェイを使って、御嶽山の頂上を目指すというもの。剣が峰に行くルートとしては、2023年現在ではこちらがもっとも一般的です。
合計距離 | 7.5km |
最高点の標高 | 3,067m |
最低点の標高 | 2,120m |
累積標高(上り) | 980m |
累積標高(下り) | 980m |
このルートは、御岳ロープウェイからスタートしています。
御岳ロープウェイは、昔から経営に難があり、事業者を変えるという形でなんとか維持されているような状況です。2023年は、また新しく事業者が決まったみたいなんですが、4月時点の公式HPでは何も音沙汰がありません。
たぶん今年も運行はするとおもうのですが、登山前にはホームページをご確認ください。
名称 | 御岳ロープウェイ |
所在地 | 徳島県三好市東祖谷菅生205-25 |
料金 | 【往復】大人2,600円 小人1,300円 |
営業日 | 6月下旬~11月上旬 |
連絡先 | 0264-22-4285 |
実はこのルートは、ロープウェイを使わなくても行けるので、詳しくは下記の「御嶽山満喫ルート」のほうをご参照ください。
王滝口ルート


このルートの目安 |
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(3.5) | 体力レベル
むずかしさ (2.5) |
おすすめ度 (4.0) |
【登り】2時間20分 【下り】1時間50分 |
参考コースタイム 4時間10分 (日帰り) |
【標高差】約760m /【距離】約5.7km |
中級レベル |
王滝頂上まで行くルートです。
王滝頂上は、御嶽山の最高峰である剣が峰のすぐ近くのピークで、本来であれば、このルートが御嶽山の頂上まで最短なルートでした。
ですが、噴火災害以降は、王滝頂上から剣が峰までは通行禁止になっています。
2023年現在で行けるのは、あくまで王滝頂上まで。その先はまだ行けません。
合計距離 | 5.7km |
最高点の標高 | 2,936m |
最低点の標高 | 2,185m |
累積標高(上り) | 760m |
累積標高(下り) | 760m |
ただ、シェルターなどの整備は進んでいるようなので、将来的にまた剣が峰まで行けるようになるでしょう。まだ時間がかかるようですが、数年のうちには行けるようになるかもしれません。
もうひとつの注意点としては、このルートは期間限定ということです。
2023年4月時点では、いまだに情報が提示されていません。例年通りであれば、7月上旬~10月上旬あたりが開山時期になります。
噴火口側にあるルートなので、規制がもっとも厳しく、開山時期のみにしか行けません。それ以外の時期は、かなり下の方から通行禁止になります。
本当にあともうちょっとで剣が峰に着くのですが、残念ですね。開通を待ちましょう。
摩利支天山ルート


このルートの目安 |
---|
(5.0) | 体力レベル
むずかしさ (3.0) |
おすすめ度 (4.0) |
【登り】4時間20分 【下り】3時間20分 |
参考コースタイム 7時間40分 (日帰り) |
【標高差】約1260m /【距離】約11.4km |
上級レベル |
御嶽山の外輪山である、摩利支天山をのぼるルートです。
摩利支天山 = "まりしてんやま"と読みます。標高は2959mとかなり高く、御嶽山の魅力を語る上では、こちらも欠かせない存在ですね。
道中には、「飛騨頂上」というピークがあり、摩利支天山とともに絶景です。有名な三ノ池もすぐ近くにあります。
このルートは、剣が峰から離れているため通年登山可能です。
途中の分岐で曲がれば、継子岳(ままこだけ)も縦走することが可能ですので、余裕があればそちらもぜひ。
合計距離 | 11.4km |
最高点の標高 | 2,959m |
最低点の標高 | 1,784m |
累積標高(上り) | 1,260m |
累積標高(下り) | 1,260m |
御嶽山満喫ルート


このルートの目安 |
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(5.0) | 体力レベル
むずかしさ (3.0) |
おすすめ度 (5.0) |
【登り】5時間40分 【下り】4時間20分 |
参考コースタイム 10時間00分 (泊まり) |
【標高差】約1620m /【距離】約15km |
上級レベル |
御嶽山の魅力を最大限に味わいたいなら、このルートがオススメです。
御嶽山の主要なピークである「剣が峰」「摩利支天山」「飛騨頂上」「継子岳」を、すべて周回するルートになります。
基本的には泊まりが良いですが、日帰りも可能なレベルなので、御嶽山の魅力をコンパクトに味わい尽くすことが可能です。
ただし、剣が峰までは、開山時期しか行けませんのでご注意ください。
4月時点で2023年度の開山時期はまだ明示されていないのですが、例年通りであれば7月上旬~10月上旬あたりになります。
また、山小屋は開山時期にしかやってないので、それ以外の時期は日帰りのみになりますね。
剣が峰まで行けなかったとしても、十分魅力的なルートだとおもうので、余裕があるひとはぜひ行ってみてください。
合計距離 | 15km |
最高点の標高 | 3,067m |
最低点の標高 | 1,816m |
累積標高(上り) | 1,620m |
累積標高(下り) | 1,620m |
三ノ池


御岳山にはいくつか火口湖があり、その中でも最大とされているのが三ノ池。
標高2720mという高所にあり、とても澄んだ色をしている御嶽山のオアシス的な場所です。飛騨頂上あたりからもよくみえ、下から近づくこともできます。
期間限定ではありますが、この池に積もった雪が解け始めると、竜の目のように見えるドラゴンアイが出現することがあります。ドラゴンアイといえば八幡平が有名ですが、こちらは御岳産のドラゴンアイです。



めっちゃキレイな色!
噴火について対策すべきこと



噴火は怖いけどのぼりたい・・・
御嶽山をのぼる際には、噴火についての対策を知ることが大切です。
自分の身は自分でしか守れません。しっかりと安全対策をして、登山にのぞみましょう。
噴火警戒レベルをチェック
火山帯をのぼる際には、必ず噴火警戒レベルをチェックしましょう。
気象庁がホームページで、噴火の予報をしています。
昔、「御嶽山は水蒸気爆発だったから噴火の予測が難しい」なんて話を聞いて納得していたんですが、直近の話だと「実は火山性微動が頻繁にあったにも関わらず、国が噴火警戒レベルを引き上げなかった」ということに帰結したみたいですね。
登山をする前には、噴火警戒レベルをチェックするのは大事です。しかし、それ以上に自分で自分の身を守ることのほうが大事。
噴火の予報は確実なものではなく、100%安全性が保障されるものではありません。大事なのは、個人の知識と意識。生き延びたいひとは、下の項目もぜひ読み進めてください。
噴火の予兆を知る



噴火の予兆なんてわかるの?
実は、噴火の予兆はある程度わかります。
そのひとつとしては、火山性微動(地震)が挙げられます。噴火の前には、マグマなどの地殻変動によって、小さい地震が頻発することがあるんです。
これには、気象庁が御嶽山の火山観測データを細かく公開してくれていますので、参考にすると良いでしょう。リンク先の「最近(2か月間)の活動状況の<地震回数表等>」の項目を見れば、1日の地震回数がわかります。
これらを知っておけば、地震が頻発している期間にはのぼらないなどの対策が立てられます。
また、「地震があったら噴火の予兆」というざっくりとした知識でも、登山続行のひとつの判断基準とできるので、火山を登山する際には覚えておくと良いでしょう。
常に噴火の可能性を頭の片隅に入れて行動することが大切です。
正常性バイアスを理解する
あなたは、"正常性バイアス"という言葉を知っていますか?
正常性バイアスとは、異常なことが起こったときに「大したことではない」と考えて、心を平静に保とうとするという脳の機能のこと。
たとえば、身近に危険が迫っている状況で、「大丈夫だろう」「なんかの間違いだろう」などとおもってしまう状態のことです。
もし登山中に噴火したら、間違ってもスマホで撮影なんかしないように。そんなことをする時間があるなら逃げてください。
危険な状況のときには、素直に逃げる。自分だけは大丈夫などとは決して思わないように。
実際にこのことが原因で、御嶽山の噴火災害では被害がでています。
御嶽山の噴火災害事故が、正常性バイアスの例に挙げられているのは私も初めて知ったんですが、やはりというかやっぱり実際にあったんですね。
死亡者の多くが噴火後も火口付近にとどまり噴火の様子を写真撮影していたことがわかっており、携帯電話を手に持ったままの死体や、噴火から4分後に撮影した記録が残るカメラもあった。
Wikipedia 正常性バイアス
「正常性バイアス」は登山以外でも、全ての危険な状況にいえることですので、ぜひ覚えておいてください。いつかきっと、あなたの命を救ってくれるかもしれませんよ。
御嶽山のライブカメラ
御嶽山のライブカメラです。
複数の場所から映像が見られるようになっています。噴煙の様子などはわかるとおもうので、上手に活用しましょう。
御嶽山は絶景が広がる
御嶽山は、絶景が広がる山です。
独立峰な上に森林限界なので、視界はとても良好。3000mを超える高峰でありながら、比較的簡単にのぼれる山なので初心者でも挑戦しやすいでしょう。
ただ、過去に噴火災害があった山でもありますので、安全には注意を払って楽しんでください。
ルート名 | 標高差 | 往復距離 | 登山時間 | 難易度 |
---|---|---|---|---|
黒沢口 | 約980m | 約7.5km | 3時間10分 | 中級レベル |
王滝口 | 約760m | 約5.7km | 2時間20分 | 中級レベル |
摩利支天山 | 約1260m | 約11.4km | 7時間40分 | 上級レベル |
御嶽山満喫 | 約1620m | 約15km | 10時間00分 | 上級レベル |
御嶽山の登山口や駐車場や山小屋の情報についての解説は、以下の記事をどうぞ。

