
谷川岳の登山ルートを詳しくおしえて!



初心者でものぼれる難易度?
そんなお悩みを解決します。
谷川岳は、ロープウェイが利用できるので、初心者や家族連れでものぼりやすい山です。年間通して多くの登山者が訪れるため、登山道もよく整備されており、道迷いなどの心配はありません。
谷川岳は、多数の遭難者をだしていることから、"魔の山"として有名ですが、これはクライミングの話です。登山としてみた場合には、普通の山ですので安心してください。ただし、この辺の山は厳冬期は超豪雪地帯になりますので、その点だけはご注意ください。
なかでも、天神平ルートであればロープウェイが使えるため、初心者や体力のないひとでものぼりやすいでしょう。序盤の傾斜がゆるやかなので、ペース作りもしやすいです。
ルート名 | 標高差 | 往復距離 | 登山時間 | 難易度 |
---|---|---|---|---|
天神平ルート | 約840m | 約6.9km | 4時間50分 | 中級レベル |
西黒尾根ルート | 約1340m | 約8.7km | 7時間00分 | 上級レベル |
西黒尾根周回 | 約1415m | 約10.4km | 7時間50分 | 上級レベル |
この記事では、谷川岳の登山ルートについて、以下の3つのポイントでお伝えします。
- 谷川岳の3つの登山ルート
- 登山ルートの時間と難易度
- 谷川岳を登山する際に注意するべき点



谷川岳は豪雪地帯ですよ!
谷川岳のおすすめ登山ルート


名称 | 谷川岳(たにがわだけ) |
標高 | 1,977m |
ジャンル | 日本百名山 |
登山エリア | 北関東 |
都道府県 | 群馬県、新潟県 |
登山適期 | 6月中旬~10月下旬 |
難易度 | 中級~上級 |
登山口と駐車場 | 谷川岳の登山口と駐車場 |
谷川岳は、群馬県と新潟県にまたがる標高1,977mの山です。
ぐんまの郷土かるたでは、「水上谷川(みなかみたにがわ)、スキーと登山」というフレーズで有名です。群馬県の水上町にある谷川岳は、スキーと登山で有名だよという意味ですね。
温泉街はバブルの崩壊とともに廃れてしまって廃墟も多いんですが、町全体は昭和の雰囲気を残していて、タイムスリップしたかのような感覚を味わえます。



ノスタルジックな雰囲気が好きなひとにはハマるとおもいます
また、谷川岳には日本三大急登のひとつ「西黒尾根」があります。
日本にある有名な3つの急登(急な上り坂)。黒戸尾根・ブナ立尾根・西黒尾根の3つを指す。
ロープウェイで比較的簡単に頂上まで行ける一方、上級者も飽きさせないハードなルートもあるというのが、谷川岳登山の魅力ですね。
ここでは、そんな色々と特徴がある谷川岳のおすすめ登山ルートを紹介していきます。
天神平ルート
このルートの目安 |
---|
(3.5) | 体力レベル
むずかしさ (2.5) |
おすすめ度 (5.0) |
登山時間 【登り】170分 【下り】120分 |
参考コースタイム 4時間50分 (日帰り) |
【標高差】約837m /【距離】約6.9km |
中級レベル |
こちらは、谷川岳をもっとも簡単にのぼれるルートです。
ロープウェイ利用でかなり標高(500mちょっと)を稼げるため、初心者や家族連れでも挑戦しやすいルートになっています。
道中に鎖場はあるものの、補助的なものなので、難易度にはほぼ影響がないでしょう。鎖場といっても、求められるレベルは高くありません。
谷川岳のロープウェイは冬季も営業しており、簡単に頂上まで行ける雪山としても人気です。
昨今の値上げブームで金額があがっており、ロープウェイの料金としては少し高めになります。しかし、3分間隔で出ているため、わりとスムーズに乗れるためストレスフリーです。
名称 | 谷川岳ロープウェイ |
所在地 | 〒379-1728 群馬県利根郡みなかみ町湯檜曽湯吹山国有林 |
料金 | 【往復】大人1,800円 小人900円 【片道】大人3,000円 小人1,500円 |
営業時間 | 【4月~11月】 平日 8:00~17:00 土日祝日 7:00~17:00 【12月~3月】 全日 8:30~16:00 |
連絡先 | 0278-72-3575 |
また、ロープウェイの駐車場は有料です。
グリーンシーズン | 500円 |
スキーシーズン | 平日 500円 土日祝日 1,000円 |
合計距離 | 6.9km |
最高点の標高 | 1,977m |
最低点の標高 | 1,309m |
累積標高(上り) | 837m |
累積標高(下り) | 837m |
西黒尾根ルート
このルートの目安 |
---|
(5.0) | 体力レベル
むずかしさ (3.5) |
おすすめ度 (4.5) |
登山時間 【登り】240分 【下り】180分 |
参考コースタイム 7時間00分 (日帰り) |
【標高差】約1370m /【距離】約8.7km |
上級レベル |
日本三大急登のひとつ、西黒尾根をのぼるルートです。
日本にある有名な3つの急登。黒戸尾根・ブナ立尾根・西黒尾根の3つを指す。
急な登山道がずっと続く、体力勝負なルートですね。
西黒尾根は、ロープウェイからもはっきりとその姿が見えますが、かなり迫力があって登りがいのある登山道です。アクセスや難易度的にも、日本三大急登のなかでは挑戦しやすいので、のぼってみたいひとはぜひ。
合計距離 | 8.7km |
最高点の標高 | 1,977m |
最低点の標高 | 732m |
累積標高(上り) | 1,367m |
累積標高(下り) | 1,367m |
西黒尾根周回ルート
このルートの目安 |
---|
(5.0) | 体力レベル
むずかしさ (3.0) |
おすすめ度 (4.5) |
登山時間 【登り】270分 【下り】200分 |
参考コースタイム 7時間50分 (日帰り) |
【標高差】約1415m /【距離】約10.4km |
上級レベル |
西黒尾根をのぼりつつ、周回するルートです。
西黒尾根をピストンせずに、ロープウェイに並行して存在する登山道で戻ってくるルートです。
このルートの良い点としては、疲れた場合にはロープウェイ利用で下山可能なところです。
下のGPSの軌跡では、そのまま下山をしていますが、分岐で曲がらずにそのまま真っ直ぐに行けば、ロープウェイで戻ることも可能です。



帰りはラクしたいな~
西黒尾根は、日本三大急登のひとつで大変なルートですので、帰りはロープウェイでラクをするというのも全然アリだとおもいます。
合計距離 | 10.4km |
最高点の標高 | 1,977m |
最低点の標高 | 732m |
累積標高(上り) | 1,415m |
累積標高(下り) | 1,396m |
天候には要注意


谷川岳は、天候が不安定な山です。
厳冬期でも、晴れていれば初心者でものぼりやすい山ではありますが、天候が急変しやすく、ホワイトアウトになると難易度が一気に跳ね上がります。
この項では、地元ぐんま県民の私から、いくつか注意すべき点などを付け加えさえていただきます。登山をする際には、参考にしてみてください。
天候が崩れやすい
谷川岳は、天気が崩れやすい山です。
群馬県と新潟県の県境に位置する山なんですが、この辺は超豪雪地帯です。スキーをやるひとには、苗場などがある湯沢のあたりといえばわかりやすいでしょうか?冬季は、とてつもない量の雪がしょっちゅう降っています。
谷川岳は、群馬の平野部からもよく見える山ですが、晴れているのを目撃することはあまりないです。
地元民の個人的な意見としては、冬はむしろ天候が良い日の方が少ないと感じています。
晴れているときはスカッと雲ひとつなく晴れるものの、基本は雲がかかっているような印象の山です。なので、私も谷川岳に行く機会にはなかなか恵まれませんでした。
とある天気予報サイトで「登山に最適な気候」と書いてあったので行ってみましたが、実際には頂上付近は吹雪でした。
谷川岳を登山する際には、晴れや雨などの天気予報を見るよりも、雲の流れをチェックしましょう。
谷川岳に関わらず、登山は雲の流れを知っておいた方が安全です。下記の、谷川岳の天気で数時間先の雨雲の流れが確認できるので、上手に活用してください。
ホワイトアウトに要注意
谷川岳は、厳冬期も雪山として人気の山です。
関東や首都圏からのアクセスがよく、県外のひともたくさんのぼっています。
この辺は、日本海からの雪雲が伸びてくることが多く、ホワイトアウトや吹雪になりやすいです。雪山の稜線でのホワイトアウトは、足場や進行方向がわからなくなりやすいため、かなり遭難しやすい状況になります。
ホワイトアウトとは、雪によって視界が真っ白になる現象のこと。雪や霧による視界不良。
雪のないシーズンは、視界が崩れても登山道ははっきりとみえるので心配ありませんが、真冬にのぼる場合は要注意です。状況によっては一歩も動けなくなります。
私が実際にのぼったい際には、ホワイトアウト&猛吹雪でしたが、視界自体は10m~20m先は見える状況でしたので、特に問題なくそれぞれの頂上まで行くことができました。


谷川岳では、こんな景色は珍しくありませんので、こうなりたくなければ天候はしっかりとチェックしておきましょう。
ホワイトアウトは、本当にひどいときは1m先も見えなくなることもあり、視界が白すぎて地面と空の境界がわからなくなります。また、雪山では風が強いとトレース(足跡)は、ものの数分で消えます。
雪山をのぼる際には、ホワイトアウト対策としてGPSを必ず携行するのがオススメです。稜線だとそれでもちょっと心もとないですが、これがあればトレースに頼らなくても行動できます。


関東の気候に影響力あり



群馬といえばスキーのイメージ!
そんなひとも多いかもしれません。
しかし実際のところ、群馬の平野部にまで雪がふるのは、年の一度あるかないかのレベルなんです。そして、これには谷川岳が大きくかかわっています。
実は谷川岳は、関東の気候にも大きな影響を及ぼす山なんです。
日本海側からのびてくる雪雲は、谷川連峰が壁になってブロックしてくれています(他にもあります)。これは、実際に天気図などをみるとわかりやすいでしょう。
谷川連峰でずっしりと水分(雪)を落とし、残りの乾燥した強い風(からっ風)がビュービュー吹く、それが群馬という土地柄となっています。



群馬の冬はリップクリームが必須です(笑)
ライブカメラ
谷川岳の付近の道路のライブカメラの様子です。
谷川岳は登山に最適
谷川岳は、登山に最適な山です。
ロープウェイ利用で初心者でも挑戦しやすく、西黒尾根ルートであれば上級者も満足する登山が味わえます。
また、登山としては珍しく、電車利用でも便利な場所にあるので、だれでも遊びに行きやすい環境が整っています。マイカーでも電車でも、アクセスしやすい山ですね。
ルート名 | 標高差 | 往復距離 | 登山時間 | 難易度 |
---|---|---|---|---|
天神平ルート | 約840m | 約6.9km | 4時間50分 | 中級レベル |
西黒尾根ルート | 約1340m | 約8.7km | 7時間00分 | 上級レベル |
西黒尾根周回 | 約1415m | 約10.4km | 7時間50分 | 上級レベル |
厳冬期でも、晴れていればロープウェイ利用で初心者でも挑戦しやすい山ですが、GPSなどもきちんと携行しつつ、天候には十分注意しましょう。

