この記事では、御殿場ルートの特徴と攻略方法について解説します。
御殿場ルートの標高差は2,400mあり、日帰りでも泊まりでもきつい難易度です。また、ザレ場で足の筋力をかなり消費するため、ルート取りが重要になってきます。
攻略方法についても解説しました。これを読めば、御殿場ルートを登頂率を高めることができるはずです。ぜひ参考にしてください。
御殿場ルートの特徴

御殿場ルートとは、富士山の御殿場口からのぼるルートです。
全ルート中もっとも難易度の高いルートで、のぼったひとは口をそろえて「地獄だ」というほどです。
ここでは、そんな御殿場ルートの解説をしていきます。
もっとも難易度が高い

御殿場ルートは、富士山五合目でもっとも難易度が高いルートです。
一般登山で言えば、標高差1200mもあれば十分上級レベルなんですが、御殿場ルートはさらにその倍あります。国内でも屈指の難易度を誇ります。
登山者が少ない
このルートはきついので、のぼるひとが少ないです。
富士山のルート別にみると、全体の約0.5%くらいです。比率でみると、以下のような感じ。
吉田ルート | 富士宮ルート | 須走ルート | 御殿場ルート |
---|---|---|---|
約60%前後 | 約30%前後 | 約10%前後 | 約0..5% |
なので、混んでるのが嫌なひとには向ているルートです。ただし、上述したように日帰りでも泊まりでも体力はかなり必要です。

足場が悪い
御殿場ルートがきついのは、ザレ場が続くからです。
小石や砂などの砂利道のこと。砂浜のような登山道。
「砂浜のようなもの」といえば、わかりやすいでしょうか?
いろんなバリエーションがある登山道の中でも、もっとも苦戦しうるのがザレ場で、御殿場ルートは8合目のあたりまではずっとそれが続きます。
ザレ場は苦手な登山者が多く、このルートが地獄だといわれる由縁はまさにこれです。
しかし、富士山のザレ場はある程度攻略法があるので、気になるひとは下記のザレ場攻略の項を読んでみてください。
大砂走がある

御殿場ルートの下山は、とても快適です。
「大砂走」という下山専用のルートがあり、ものすごい量の砂の上を一気に駆け降りることができます。これが御殿場ルートで一番の魅力ポイントです。
私も少し走ってみましたが、めちゃくちゃ楽しかったです。走りやすさとグイグイくだる爽快感は、クセになりそうでした。

御殿場ルートでもっともオススメできるポイントです!
日帰りも可能
日帰りは、もちろん可能です。
私も日帰りで行きましたし、トレランのひとなんかはサクッとのぼっています。ただし、剣ヶ峰までの標高差は約2400mあるので、普段から鍛えていないと困難です。
このルートは誤魔化しがききません。非常に長い行程となるので、肉体的にも精神的にも、多くのひとがきついと感じるはずです。
このルートを日帰りで行くひとのなかでは、結構遅いほうだとおもいます。序盤にトレランのひとに抜かれてから姿が見えなくなりました。
マイカー規制なし
御殿場ルートは、駐車場まで車で行けます。
富士山は、登山シーズン中はマイカー規制がありますが、御殿場ルートは唯一駐車場まで自分の車で行くことができます。個人的にここがもっともポイント高いですね。
私はぐっすり寝てから登山をしたいタイプなので、登山開始は9時過ぎていました。遅いですよね。



ゆっくり寝られてサイコーです!
攻略のポイント


御殿場ルートの攻略ポイントを解説します。
これから挑戦される方はぜひ参考にしてみてください。
ザレ場の歩き方
御殿場ルートは、基本ずっとザレ場です。
そのため、ザレ場をいかに攻略できるかが大きなポイントとなってきます。
注意深く観察するひとは気付くと思いますが、砂利は登山道の外側に堆積しやすいという特徴があります。つまり、歩きやすいところと歩きにくいところがあるんです。


上の写真では、外側があきらかに砂が深くて踏み跡がたくさんあるのに対し、山側には足跡があまり見えません。つまり、赤い線で示したところは、地面がしっかりしているということがわかります。
これを理解しないで適当にズボズボと深いところを歩くと、頂上まで足がもたないでしょう。
地面を見極め、より歩きやすい(固い)ルートを選択するのが大事です。
ザレ場対策のトレーニングには、雪山をのぼるのがオススメです。
ザレ場の歩き方や使う筋肉は、雪山によく似ています。踏ん張りがきかず、前後左右どこにでも動いてしまいがちなところが同じです。
具体的には内転筋などの筋力が必要なのですが、雪山をのぼっていれば歩き方なども身に着くので、御殿場に行く前には技術を身に着けておくと良いですね。
日焼け対策
日焼け対策も重要です。
御殿場ルートは、ずっと森林限界なので身体が焼けます。他ルートと比べて山小屋が少なく、登山時間も一番長いということから、もっとも日焼けしやすいルートといって良いでしょう。
日焼け止めなしでのぼると大変なことになります。はじめて富士山にのぼった時に、顔から変な汁がでるくらい火傷してしまったので、対策はしっかりとしておくのをおススメします。


今回は、この日焼け止めを使用しましたが、きちんと効果がありました。スティックタイプで塗りこみやすいので、手が汚れがちな登山では使いやすいです。
カーボローディング
カーボローディングという言葉をご存知ですか?
糖質を体にためておくテクニックのことで、早い話が「食いだめ」です。御殿場ルートをのぼるには、相当なエネルギーが必要で、これを事前に食べておくわけですね。
私は3日前からご飯を多めに食べて、お菓子などの間食をたくさんしました。
カーボローディングは、本当は細かいやり方があるみたいなんですが、とりあえずたくさん食べておくという認識でOKだとおもっています。
当日の朝だけだとなかなかたくさん食べられないので、数日間かけてお腹にためておくわけですね。私も気持ち悪くなるくらい食べました。
うまくいくと、お腹が満腹ではないのにパンパンにはれている状態になります。でも、大丈夫です。のぼり終える頃にはお腹はすっきりしますので。



簡単ですが効果は抜群ですよ!
せっかく身体を鍛えていっても、エネルギー切れでのぼれなくなるともったいないので、カーボローディングはぜひやっていきましょう。
体重を減らそう
「体重」という要素も非常に重要です。
カーボローディングで2~3kg太ったことを考慮すると、当日の私の体重は85kgくらいでのぼっています。しかし、実際にのぼってみて"体重の壁"というものをかなり感じました。
登山は、体重が軽ければ軽いほど有利です。
私は最後の最後で足がかなり止まってしまい、登山をはじめた頃ぶりに苦戦しました。
すれ違うひとに「がんばってください!」と言われましたが、「応援される→苦戦しているように見えた」ということですね。



恥ずかしい・・・
でも、下山はスイスイくだれたうえ、大砂走では走れるくらい元気で、体力的にはまだまだ余裕がありました。では、なぜ頂上付近で足がとまってしまったのか?
体重に対する筋持久力の不足です。
このサイトをはじめてから登山のペースは週1に落としているので、トレーニング不足というのはもちろんあったとおもいます。(筋トレは週2)
ただ、それにしてもやっぱり体重が大きなネックになったかなと。もうこれ以上は体を軽くするしかない、と痛感させられました。
そこで富士山をのぼった翌日から減量を開始し、現在は79kgまで落ちました。下山後は82kgだったので、一か月で3kgくらい痩せましたね。


私自身、食事の勉強をしてからかなり自由に痩せられるようになったので、ぜひ参考にしてみてください。
筋トレ
筋持久力をメインとした筋トレが有効です。
御殿場ルートは、全体的にザレ場多く、足上げを大きくするような場面がほぼありません。なので、ひたすら筋持久力が要求されるルートだと感じました。
たとえばスクワットなら、10kg20kgと重さを増やしてやるよりも、10回20回と回数を増やすやり方で持久力が鍛えられます。
御殿場ルートを日帰りで攻略するには、連続200回以上はスクワットできないときついとおもいます。
御殿場ルートは日帰り可能
御殿場ルートは、日帰りで行くことが可能です。
しかし、当然ながら体力と精神力が必要です。私はきついながらも楽しく登山できましたが、精神的な理由でリタイアするひとも多そうですね。
御殿場ルートを攻略したいひとは、以下のポイントを抑えておいてください。
- ザレ場は足元を見極める
- 日焼け止めは絶対に忘れずに
- カーボローディングをする
- 体重はできるだけ軽く
- 筋持久力をメインに鍛える
御殿場ルートはずっと単調な景色が続くんですが、個人的には富士山の新しい一面が見られて良かったです。ここの景色は他ルートとはまったく違っていて、のぼってみる価値はあるとおもいます。
雲海はいわずもがな、ずっと見ていても飽きない景色で、とても楽しめました。挑戦しようか迷っているのであれば、ぜひおすすめします。

