富士山の山小屋がひどいと言われる理由を解説します。
一番の大きな理由は、利用者側との認識の違いです。山小屋は、普通のホテルなどと違ってかなり特殊です。風呂やシャワーはありませんし、防音性も皆無です。
この記事で、山小屋がどういうものか理解できれば、つらい思いをせずに済むかもしれません。利用するか迷っているひとは、ぜひ参考にしてみてください。
山小屋がひどい理由

富士山の山小屋は、ひとによっては散々な評価です。
ここでは、主にひどいといわれる理由を色々と挙げていきたいとおもいます。
認識の違いがある
あなたは、山小屋というものを正しく理解できていますか?
山小屋は、ホテルや旅館とはまったく別のものです。「宿泊施設」いうと、むしろちょっと語弊があるような気がします。
ゆっくりと体を休めてぐっすりと眠る、なんていうのは期待してはいけません。
その名の通り「小屋」なんです。
「富士山の山小屋は休憩施設」といった方が正しいです。この辺を、利用者側がよく理解できていないように思えます。
富士山の山小屋は、休憩する場所です。雨風をしのげればラッキー程度のものです。過度な期待はしないでおきましょう。
大部屋に雑魚寝が普通
山小屋は、大部屋に雑魚寝みたいなスタイルが基本です。
布団や寝袋がずらーっと並べられており、他人同士で寝ます。「寝返りが打てない」「いびきがうるさくて寝られない」みたいなのはよく聞く話です。
トイレに行くのでさえ、他人を横切らなければならないので気を使います。そういうのが嫌なひとは、個室のある山小屋を検討しましょう。

私は、山小屋に並べられている布団の列を見て、正直ひきました。
他人同士で隣り合って寝るというのは、私には無理ですね。案外、慣れるものなのかもしれませんが。
風呂やシャワーはなし
山小屋に、お風呂やシャワーはありません。
登山をして汗だくになっても、お風呂やシャワーには入れませんので注意しましょう。女性にはつらいところですよね。匂いが気になりますし。
これに関しては、体を拭くシートや着替えなどをしっかりと準備しましょう。

トイレが臭い
バイオトイレなので仕方ないんですが、トイレが臭いです。
ただし、臭い=汚いということではありません。
むしろ、富士山のトイレはどこも綺麗です。これは、本当に素晴らしいことだとおもいます。ただ、バイオトイレという性質上、どうしても匂いは臭くなってしまいます。
匂いに敏感なひとには、キツイかもしれません。結構強烈な匂いがしますので。
音がうるさい
山小屋は、防音性が皆無です。
ホテルのように鉄筋でしっかり音を遮断・・・というわけにはいきません。木造ですし、仕切りはカーテンだったりしますから、他人のいびきや話し声が聞こえるのは当たり前です。
また、富士山は御来光目的の登山者がもっとも多いです。御来光に合わせて深夜に出発する登山者が多いため、その辺の時間帯は、かなりうるさくなります。

チェックアウトまでゆっくり寝ていよう
なんていうのは、ほぼほぼ難しいとおもいます。
自分も御来光目的であれば問題ないでしょうが、それにしても他人の騒音で目が覚めるのは、気持ちの良いものではありませんね。
店員の態度が悪いこともある
繁忙期の富士山は、とてつもない人数がきます。
富士山では、従業員の態度が悪いという評判もチラホラ聞きます。
実際、私も従業員の怒鳴り声を聞いたことがあります。どことは言いませんが。
ただ、これに関しては「対応はひとによって様々」としか言いようがありません。良い対応をしてくれるところもあれば、悪態をつくようなところもあるといった感じです。
忙しいとイラッとすることもある、もしくは、頑固なひともなかにはいるということですね。
傾向的には、標高が低い場所にある山小屋の方が、客が少ないので良対応なケースが多いようです。
避難所として
山小屋は、登山者の避難所としての側面があります。
要は、困っているひとがいたら助ける役割(善意です)があるんですね。天候が変わってのぼれなくなってしまった登山者を、緊急で泊めてくれたりします。
なので、意図せずに人が増えすぎてしまったりすることは、往々にしてあることだとおもいます。人が増えると快適さがなくなるのは、上に書いた通りです。



キャパシティがいっぱいで拒否られたよ!!
なんてことのないように、事前に山小屋に予約などはしていきましょう。
集客に困らない
富士山は、毎年20万人以上のひとがのぼっています。
人気ルートの山小屋は、集客に困りません。何もしなくても、勝手にひとがどんどん押し寄せてきます。立地が良すぎるので、ひどい環境であっても利用するひとは減りません。
集客に困らない富士山の山小屋では、利用者の声は反映されにくいのです。
そもそも、客室を改善するということは、利益を減らすということになるので、経営者としては良く思わないのでしょう。
需要があるからこそ山小屋は生き残っているのであり、「山小屋がひどい」=「でも泊まるしかない」という構図は、今後もずっと平行線のままです。
文句があるなら泊まらなければ良いだけの話で、そのためには体を鍛える必要があります。
ひどいといわれる具体例


富士山の山小屋がなぜひどいのか?
実際に泊まったひとの意見や口コミなども参考にしつつ、
ここでは、詳しい具体例をみていきましょう。
収容人数がおかしい
富士山の山小屋の収容人数は、かなりおかしいです。
もっとも登山者数が多い吉田ルートの山小屋は、だいたい100人~350人ほど収容できます。
対して山小屋の大きさは、「おおよそコンビニくらい」です。
そこに100人も200人もいれば・・・どうなるかは想像に容易いですね。昔は500人だったとこもあるみたいですが、もはや四次元ポケットか何かに見えてきました。
ただ、あくまで最大値の話なので、日によって快適度は大きく変わるということも付け加えておきます。お盆は地獄です。
寝られない
山小屋で寝られなかった、というひとは多いです。
中でも、周りのいびきや物音で寝られないというのが、もっとも多いですね。基本的に防音性が皆無なので、音に敏感なひとはまず寝られないでしょう。


富士山に絶対に持っていくべきものの中でも紹介しましたが、山小屋に泊まるのであれば、耳栓は必須クラスです。
よほど疲れていればぐっすり眠れるでしょうが、その場合は他人に迷惑をかけている(いびきをかいている)可能性がありますね。
布団が共有
山小屋では、混雑時に布団が共有になる場合があります。
過去の話だと思いますが、ひとつのかけ布団を3人で使うということもあったようです。たとえ他人同士でも。地獄ですね。
私は今まで「布団はひとりひとつが当たり前」だと思っていましたが、そんな常識は通用しませんでした。



いつから布団がひとり用だと錯覚していた?
しかし、この辺はコロナ禍で大きく変わったように思えます。個室のある山小屋が増えてきましたし、感染症対策で仕切りなどをするところが増えました。
この点は、よほど混雑しない限りは心配がなくなったかなとおもいます。保証はできませんが。
動けない
一度布団に入ると、思うように動けなくなるかもしれません。
上記の布団問題もそうですが、布団を並べられるような状況であると、他人をまたぎながらということになります。就寝時間にトイレに行くのは、躊躇してしまうでしょう。
この辺は、個室のある山小屋にしたりすれば解決なので、やはり事前の準備が大事ですね。
混雑度によっても左右される
混雑度によっても、快適さは左右されます。
要は、混んでいるほどギュウギュウ詰めになったり、騒音の被害にはあいやすいということです。なので、お盆や連休などはなるべく避けた方がよいでしょう。
好みがわかれる


富士山の山小屋は、ひとによって好みがはっきりとわかれます。
許容できない人間もいれば、大丈夫だというひともいます。この記事を読んで、少しでも不安があるならヤメた方が賢明です。十分に体を休められなければ、そもそも泊まる必要などありません。
特に、山小屋の快適さを左右するのは「混雑度」が重要といって良いでしょう。お盆や連休などは、なるべく避けるのをオススメします。
- 山小屋はホテルや旅館とは全く違う
- 風呂やシャワーはない
- ギュウギュウ詰めにされる
- 防音性は皆無でいびきや物音などが聞こえる
- 快適さは混雑度にも左右される
登山者の少ないルートや平日などを狙えば、さほど不快なおもいはしないかもしれません。運によるところも大きそうです。
しかし、利用者側が我慢しなければならない部分が多いのは事実で、快適さとはほど遠いものです。その点は、覚悟したうえで利用する必要があります。
一度、認識をあらためて利用するか判断をしましょう。