富士山の5つの登山ルートと初心者が選ぶべき登山道の時間と難易度

この記事では、富士山の登山ルートを詳しく解説します。

富士山には代表的な登山ルートが5つあり、難易度が異なります。これらのルートの特徴や所要時間を、地図と動画を踏まえながら初心者でもわかりやすいように解説しています。

また、実際の登山道も写真で紹介しています。この記事を読めば、あなたがどの登山道を選べば良いかわかるはずです。ぜひ参考にしてみてください。

こんな内容でお伝えします!
この記事でわかること
  • 地図写真付きでの富士山のすべての登山ルートを紹介
  • 各ルートの所要時間難易度をわかりやすく解説
  • 登山の様子を上空から再現した動画でひとめで理解できる
  • 全国各地から富士登山ツアーに参加可能
  • 登山ガイドに案内してもらうことができる
  • 登山の装備をレンタルすることも可能
  • バスの往復山小屋だけの予約もOK

富士登山に関する悩みはこれで解決!

なお、以下の一覧表は、「相対評価で泊まりを前提とした難易度」で考えています。基本的には、どのルートも大変なはずです。

また、日帰りで行く場合には、どれも上級者レベルの体力が必要になりますので、ご注意ください。

\ ルート名をタップまたはクリックでジャンプ /

ルート概要
吉田ルート 累計標高差
約1660m
往復距離
約16km
登山時間
約10時間10分
はじめて~初心者向け
富士宮ルート 累計標高差
約1520m
往復距離
約10km
登山時間
約7時間50分
初心者向け
須走ルート 累計標高差
約1910m
往復距離
約14km
登山時間
約10時間30分
初心者~中級者向け
御殿場ルート 累計標高差
約2420m
往復距離
約18km
登山時間
約13時間30分
上級者向け
プリンスルート 累計標高差
約1580m
往復距離
約13km
登山時間
約9時間20分
初心者向け
目次

富士山の5つの登山ルート

富士山
名称富士山(ふじさん)
標高3,776m
ジャンル日本百名山
登山エリア南関東
都道府県静岡県、山梨県
登山適期7月上旬~9月上旬
難易度上級
アクセス方法富士登山の登山口やアクセス方法

富士山は、静岡県と山梨県にまたがる日本一高い山です。

その高さや知名度は圧倒的で、日本人なら誰もが知っている山でしょう。高さ、知名度、美しさ、歴史、どれをとっても超目立つ山です。

富士登山は泊まりが基本ということで、この記事のルートの目安表は"泊まりでいった場合の難易度"にしてあるのでご注意ください。また、GPSの軌跡は最高峰である剣が峰まで行った場合のものです。

日帰り登山の場合は、どれも上級者レベルの体力が必要です。

日帰りで挑戦される場合には、十分にトレーニングしてから行きましょう。

吉田ルート

富士山の吉田ルートの登山マップ
吉田ルートの登山マップ(拡大できます)
このルートの目安

体力レベル  (3.0)

むずかしさ  (2.5)

おすすめ度  (5.0)

【登り】5時間50分 【下り】4時間20分

参考コースタイム 10時間10分 (泊まり)

【標高差】約1660m /【距離】約16km

【難易度】やや大変

吉田ルートは、富士山で最も人気です。

まさに初心者のために作られたようなルートで、傾斜のゆるさや山小屋の多さなど、一番楽に登れると思います。

とはいえ、吉田ルートは全体の登山者の約6割が利用しているルートでもあり、混雑するという意味では別のきつさがあるとおもいます。

こんなひとにオススメ!
この登山道を選ぶべきひと
  • はじめて富士山にのぼるひと
  • 一番楽に富士山をのぼりたいひと
  • 休憩場所やトイレなどが多いほうが良いひと
吉田ルートの富士山登山の風景
合計距離15.5km
最高点の標高3,776m
最低点の標高2,266m
累積標高(上り)1,654m
累積標高(下り)1,654m

登山未経験者や初心者は、選択すべきルートのひとつです。

良い点
微妙な点
  • はじめてのぼるひと向け
  • 登山道がのぼりやすい
  • 傾斜がややゆるい
  • 山小屋が多い
  • とても混雑する
  • 下山道は山小屋が少ない

吉田ルートは、初めての富士登山ではド定番です。山小屋が多いということは、トイレも多いので女性には安心ですね。

吉田ルートは人の多さがかなりのマイナスポイントになるので、初心者だけど人が多いのは嫌という人は、下記の富士宮ルートがおすすめです。

富士宮ルート

富士山の富士宮ルートの登山マップ
富士宮ルートの登山マップ(拡大できます)
このルートの目安

体力レベル  (3.0)

むずかしさ  (3.0)

おすすめ度  (4.5)

【登り】4時間30分 【下り】3時間20分

参考コースタイム 7時間50分 (泊まり)

【標高差】約1520m /【距離】約10km

【難易度】 やや大変

富士宮ルートも初心者向けです。

このルートは全体的に傾斜が急で、岩場も多く存在しており、足上げに筋力を使います。そのため、脚力のないであろう登山未経験者には、あんまりおすすめできないかなという印象です。

最短ルートなので、未経験者でも挑戦しやすいのですが、どちらかといえば、登山をやっているひとに向いているルートです。

こんなひとにオススメ!
この登山道を選ぶべきひと
  • はじめて or 初心者の登山者
  • 最短で頂上まで行きたいひと
富士宮ルートの富士山登山の風景
合計距離10.05km
最高点の標高3,776m
最低点の標高2,387m
累積標高(上り)1,524m
累積標高(下り)1,524m

このルートを行くつもりなら、なるべくスクワットはやっといた方が良いです。登りも下りも、よく太ももを使うルートですので。

登山のためのトレーニングについて

登山のためのトレーニングについての解説は、以下の記事をどうぞ。

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富士宮ルートの特徴は、以下の通りです。

良い点
微妙な点
  • 頂上まで最短距離でのぼれる
  • 傾斜がややきつめ
  • 山小屋はやや多め
  • やや混雑しやすい
  • やや高山病になりやすい

富士宮ルートは、傾斜はキツい分早く頂上に着くというメリットがあります。その反面、ある程度の知識と技術がないと、登頂失敗する可能性が増えるルートでもありますね。

これについては、事前に勉強や準備をしていくと良いでしょう。

富士登山の成功率を高める方法について

富士登山の成功率を高める方法についての解説は、以下の記事をどうぞ。

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須走ルート

富士山の須走ルートの登山マップ
須走ルートの登山マップ(拡大できます)
このルートの目安

体力レベル  (5.0)

むずかしさ  (3.5)

おすすめ度  (3.5)

【登り】6時間 【下り】4時間30分

参考コースタイム 10時間30分 (泊まり)

【標高差】約1910m /【距離】約14km

【難易度】大変

須走ルートは、樹林帯からはじまるのが特徴です。

とはいえ、途中からはいつもの富士登山道といった感じで、それ以外の特徴はあんまりないですね。下山では砂走が特徴的なのですが、登りはひたすら単調です。

私は2度目の富士山でここを登っていますが、あんまり印象に残らなかったルートです。

こんなひとにオススメ!
この登山道を選ぶべきひと
  • 樹林帯からのぼりたいひと向け
  • 静かにのぼりたいひと
須走ルートの富士山登山の風景
合計距離14.1km
最高点の標高3,776m
最低点の標高1,971m
累積標高(上り)1,909m
累積標高(下り)1,909m
良い点
微妙な点
  • 樹林帯から歩ける
  • ややひとが少ない
  • 御来光がどこからでも見られる
  • 下山専用路が悪路

須走ルートの登山道では、「砂走」という下山専用路があります。

ネットではおすすめポイントとして紹介されることが多いのですが、実際にのぼっていないひとが大砂走と勘違いしてまとめているようなものが多く見受けられます。

砂走に対する私の率直な感想としては、"悪路"です。下るのにとても神経を使いました。

砂走には、砂の中に大き目の小石が埋もれており、これを踏むと滑ります。

動画があるので、実際に見てみてください。最後に足がとられているのがわかるとおもいます。終始こんな感じで、気が休まりませんでした。

富士山の砂走ルートを下る様子

須走ルートは、個人的には人との交流が印象的でした。

須走5合目で富士山に関わる人々の"人柄の良さ"は、とても素晴らしかったです。

山小屋の従業員さん、ボランティアやバスの運転手さん、それぞれが連携している点も素晴らしく、とても安心感がありました。

須走ルートは、静かに富士登山をしたい中級者以上向けのルートですね。

御殿場ルート

富士山の御殿場ルートの登山マップ
富士山の御殿場ルートの登山マップ(拡大できます)
このルートの目安

体力レベル  (5.0)

むずかしさ  (5.0)

おすすめ度  (4.0)

【登り】7時間40分 【下り】5時間50分

参考コースタイム 13時間30分 (泊まり)

【標高差】約2420m /【距離】約18km

【難易度】かなり大変

御殿場ルートは、完全な上級者向けです。

技術的な難易度はほぼないんですが、如何せん要求される体力レベルが高いので、体力レベルとともにむずかしさもMAXとしました。

国内でも、体力的には最難関に近い登山ルートのひとつではないでしょうか。

こんなひとにオススメ!
この登山道を選ぶべきひと
  • 体力に自信があるひと
  • 一番難易度の高いルートでのぼりたいひと
  • 静かにのぼりたいひと
  • 大砂走を体験してみたいひと

昔、たまたまバスで地元のおじさんと話をさせて頂いたことがあるのですが、若い頃に御殿場口ルートから登ったらしく、「もう絶対に登りたくないと思った」だそうです。

私も日帰りで挑戦しましたが、登山道の変化はあまりなく、ただひたすらのぼり続ける修行のような登山道ですね。上級者ルートゆえか、トレランのひとも多かったです。

御殿場ルートの富士山登山の風景
合計距離18.26km
最高点の標高3,776m
最低点の標高1,439m
累積標高(上り)2,416m
累積標高(下り)2,416m
良い点
微妙な点
  • ひとが少なくて快適
  • 大砂走が超爽快
  • 唯一マイカーでアクセスできる
  • 完全な上級者向け
  • ひとによっては地獄
  • 山小屋が少ない

御殿場ルートには、大きな特徴があります。

このルートは、唯一「マイカーで登山口にアクセス」できるんです。時間に縛られず行動ができるのが、最大のメリットですね。

また、基本的にザレ場となっていることが、このルートの地獄たる由縁です。ザレ場は色んな筋肉を使うので、鍛えてない人間にとっては地獄になるでしょう。

大砂走は超爽快

御殿場ルートには、大砂走という下山道があります。

この大砂走は超爽快で、かなりの標高を一気にくだることができます。砂走のさらに砂の量が多いバージョンで、こっちは足がとられることがなく、走っても安定します。

勢いよく走ると、本当に一歩で3mくらい進みます。めちゃくちゃ早いです。

あくまで余力が残っていればの話になりますが、下りの時間はのぼりの時間に対してかなり短くなります。

標高差は2400mありますが、それを感じさせないくらいスピーディにくだることができました。ほんと爽快です。

プリンスルート

富士山のプリンスルートの登山マップ
プリンスルートの登山マップ(拡大できます)
このルートの目安

体力レベル  (3.5)

むずかしさ  (3.0)

おすすめ度  (5.0)

【登り】5時間20分 【下り】4時間

参考コースタイム 9時間20分 (泊まり)

【標高差】約1580m /【距離】約13km

【難易度】 やや大変

プリンスルートは、富士宮口ルートと御殿場ルートをミックスしたものです。

昔、皇太子殿下が登られたことから由来して、プリンスルートと呼ばれています。

現在の天皇陛下ですね。陛下は登山が趣味で、有名な山などにいくと時々写真などが貼られています。私は、伊吹山の山小屋なんかで写真をお見かけしました。

こんなひとにオススメ!
この登山道を選ぶべきひと
  • 富士山の魅力を最大限味わいたいひと
  • 宝永山を見たいひと
プリンスルートの富士山登山の風景
合計距離13.1km
最高点の標高3,776m
最低点の標高2,375m
累積標高(上り)1,578m
累積標高(下り)1,578m

プリンスルートは、宝永山を経由していくのが最大の特徴で、それぞれのルートの良いとこどりなルートです。

良い点
微妙な点
  • 宝永山も一緒にのぼれる
  • 爆裂火口が見られる
  • 回る方向によって難易度が変わる

宝永山直下は、落石が多いので注意してください。そこらへんに大きな岩がゴロゴロしていますし、去年大きな落石があったのがニュースになっていました。

プリンスルートは、最初に経由するルート次第で難易度が変わります。

宝永山直下の登山道がザレ場(砂浜のような足場)になっており、多くの人がここで脚をやられてしまいます。しかも、それが序盤にくるため、ここで浪費してしまうと後半がかなりキツくなるはずです。

ザレ場はふんばりがきかない

ザレ場はその不安定さから、結構脚の筋力が必要なので、ある程度登山をやっている人向けです。実際に登ってみればわかりますが、宝永山直下はみなさんかなり苦戦しておられます。

プリンスルートを登るなら、先に富士宮ルート側からいった方が楽です。ただ、宝永山側から分岐を間違うと御殿場口の方にいってしまうので、道迷いには要注意です。

お鉢巡り

富士山頂上を一周することを、お鉢巡りといいます。

この道中に、富士山の本当の頂上である"剣が峰"があります。お鉢巡りは、まさに天空の散歩といった感じで360°の絶景を見ることができます。

吉田と須走ルートからだと、ほぼ真反対に位置するため、剣が峰にいくつもりならそのままお鉢巡りをしてしまった方が良いです。

個人的に富士山の一番の楽しみはここで、余裕があればぜひ一周して欲しいところ。

日本で一番高い場所でできる贅沢な散歩、それがお鉢巡りです。

こんなひとにオススメ!
この登山道を歩くべきひと
  • 日本で一番高い場所に行きたいひと
  • 体力に余裕があるひと

富士山のライブカメラ

現在の天気を知るには、ライブカメラを見るのが一番良いです。

登山当日には、ライブカメラの様子を観てから登山しましょう。

富士山全体のライブカメラ

富士山全体が見えるライブカメラです。

富士山は雲海率がとても高い山です。そのため、雲がかかるのはよくあることなので、頂上が晴れているかは、下記の8合目と頂上のライブカメラの様子を見ることでわかります。

これらのライブカメラでは、周りの雲の様子を参考にしてください。周りに雲があれば、天気が悪くなることが予想されますし、積乱雲が近くにきていないかなどのポイントも重要です。

吉田ルート、須走ルートをのぼるひとは、こちらのライブカメラを参考にしてください。

富士宮ルート、御殿場ルートをのぼるひとは、こちらのライブカメラを参考にしてください。

8合目付近のライブカメラ

吉田ルートの八合五勺にある御来光館からのライブカメラ映像です。

このライブカメラは、登山期間中(7月~9月上旬)にしか映像が流れませんので、ご注意ください。

頂上のライブカメラ

こちらは、富士山頂上のライブカメラです。

富士山の山頂である剣が峰(3,776m)に設置された、ライブカメラからの映像が見られます。

※現在は休止中です。おそらく登山シーズンに復活すると思われます。

富士山には色んなルートがある

登山男

結局どのルートが一番オススメ?

のぼりやすさや景色の良さなどを考えると、富士宮ルートからいって御殿場ルートから降りてくるプリンスルートが一番オススメできるかなとおもいます。

ただ、複合ルートゆえに道迷いの可能性もあるため、最初にのぼる際は、やはり吉田ルートか富士宮ルートが無難でしょう。

慣れてくれば、プリンスルートをゆったり行くのが一番楽しいとおもいます。

富士山はルートによっても楽しみ方が変わる山なので、ひとつだけではなく、色んなコースを登ってみてはいかがでしょうか。

ルート概要
吉田ルート 累計標高差
約1660m
往復距離
約16km
登山時間
約10時間10分
はじめて~初心者向け
富士宮ルート 累計標高差
約1520m
往復距離
約10km
登山時間
約7時間50分
初心者向け
須走ルート 累計標高差
約1910m
往復距離
約14km
登山時間
約10時間30分
初心者~中級者向け
御殿場ルート 累計標高差
約2420m
往復距離
約18km
登山時間
約13時間30分
上級者向け
プリンスルート 累計標高差
約1580m
往復距離
約13km
登山時間
約9時間20分
初心者向け
  • 全国各地から富士登山ツアーに参加可能
  • 登山ガイドに案内してもらうことができる
  • 登山の装備をレンタルすることも可能
  • バスの往復山小屋だけの予約もOK

富士登山に関する悩みはこれで解決!


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